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クアンバ行の列車
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マラウィに向かうため、ナンプラから国境の近くの町クアンバ行の列車に乗った。
ナンプラ=クアンバ間は距離にして300km程だが、鉄道では12時間くらいかかる長旅。
朝5時に駅に行くと、ホームは既に人が溢れていた。


二等車のコンパートメントは6人乗りで、マラウィ人の夫婦、モザンビーク人の親子連れと同室。
それほど窮屈ではなく、アフリカの移動としてはスペースに大分余裕がある部類。三等車はスシ詰めだろうが・・・
車両はなかなかの年代物で、色褪せて剥げかけた塗装を何度も塗りなおしている。


列車が走り出すと、開け放しの窓から風が入ってきて気持ちいい。
それほどスピードを出すわけでもないので、風も強くなくて快適だ。揺れも少ないし、寝そべりながら外を眺められるのでバスの移動より遥かにいい。



ナンプラの街を出ると、すぐに巨大な岩山の間を通り過ぎる。
小型のエアーズロックやヨセミテといった光景で、なかなか迫力がある。
あとはヤシの木が所々生える平原が続く。時折土壁の家々が並ぶ村が車窓に現れては過ぎ去っていく。
適度な揺れと風が眠気を誘う。早朝に起きて寝不足でもあったので、上段の寝台に寝転んでとりあえず寝ることにした。





何時間か寝た後目を覚ますと、列車はどこかの村で停車した。
物売り達が一斉に駆け寄ってくる。売っているのはフルーツや菓子、ナッツや卵とか。この列車は1日1本のはずだが、それだけで生計が成り立つのだろうか?などと余計な心配をしてしまうが、沿線の住民にとっては列車の通過は一大イベントであるかのように、村人総出の勢いで見物に来ている。



子供達も列車を追いかけて走る。
絵に描いたような、牧歌的なアフリカの農村だ。


クアンバに近づくると、また車窓に岩山が見えてきた。
緑溢れるのどかな平野に突如現れる巨大な丸い奇岩。
非日常的なアフリカの中でも、とりわけ現実感のない不思議な風景。


夕方になってクアンバに到着。12時間の道のりのうち10時間ほど爆睡していたので、感覚的にはあっという間だった。
同室だったマラウィ人はこのまま国境の町のMandimbaまで行ってそこで泊まると行っていたが、どちらにせよ国境越えは明日になるので、まともな宿がありそうなクアンバで一泊していくことにした。




クアンバは未舗装の通りを土埃が舞う、これといった特徴のない田舎町だ。
ホテルも少なく、ロンプラ掲載のPensao Sao Miguelが一杯だったので、Hotel Vision 2000という宿に泊まることにした。近未来的なその名前とは裏腹なボロ宿で、コスパの面では今回の旅で最悪だった。どうみても安宿なのに40ドル以上とかありえない。しかもゴ●ブリが出たのでさすがにディスカウントさせたが。。Wifiもあるという触れ込みだったが、当然のように機能していなかった。



外のレストランでハエと格闘しつつ2Mビールを飲みながらモザンビークを振り返る。
割と小奇麗で快適なアフリカ南部にあって、12年前と同様にやはりモザンビークが一番移動や人当りがきつかったが、寂れた町の雰囲気とかはこの国が一番のお気に入りでもある。
人々がフレンドリーで親切と噂のマラウィに期待しつつ、半ば干からびたフライドチキンの夕食をたいらげた。

モザンビーク旅行記:ナンプラからクアンバ行きの鉄道