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滝と氷と波濤と
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アイスランド2日目は南の沿岸部へ。
島の南部にはいくつもの滝、氷河や黒い海岸など、独特の景観を持つ景勝地が点在している。


バスがレイキャビクを出て高地に差し掛かると、車窓の風景が一変した。
薄く地肌が透けて見える程度の雪が地表を覆う。
低く垂れこめた空と同じ、鈍く、青い白。

まるでフィルターをかけたように青味がかった荒涼とした原野が広がり、時折現れる発電所やパイプラインの他は、およそ文明の痕跡は見当たらない。



しばらく走ると、スコーガフォスの滝に到着した。
滝は内陸部の台地から海岸地帯へと落ちていて、落差は60mほど。
世の中の主だった滝は、大抵上から見下ろす場合が多いが、ここは周囲が平野なので下から見上げることになる。
水量もなかなか多く迫力があり、周りの穏やかな光景と対比すると、いささか唐突感がある。
ちなみに滝壺には柵も囲いもなく、誰でもアクセスできるようになっている。


滝の後はミールダルスヨークトル(Mýrdalsjökull)氷河へ。
氷上を歩くためにアイゼンを装着し、ピッケルが配られる等意外と本格的。
そして風が強く、しかも氷の上なので、文字通り底冷えして非常に寒い。
ウォーキングの距離・時間自体は短かいが、そこそこ楽しめる。


巨大な火山を眺めながら、一路最南端のVikへ。
崖に挟まれ、街というより集落という規模で、集落の外には、黒い海岸(Reynisfjara)にある巨岩群(Reynisdrangar)を遠くに見ることができる。


Vikでランチ後は黒い海岸へ。
ここは海岸の火山石の色が黒いため、黒い海岸と呼ばれる。
波が高く、ガイドから何度も波打ち際に近寄らないように言われる。実際、波に飲まれて行方不明になる観光客は後を絶たないらしい。

冬の日本海並の高波が、レイニスドラァンガルや六角形の石柱等の奇岩が並ぶ黒々とした海岸を洗う。
低い雲の隙間から幾条かの光が海上を照らし、およそこの世ならぬ光景だ。
あまりに風が強く、のんびり景色を堪能している余裕は全くなかったのだが・・・


レイキャビクへの帰路、もうひとつの滝、セリャラントスフォスの滝に寄った。
ここはそれほど大きくないものの、滝の裏側に回ることが出来ることで有名。
あまりの寒さで正直若干やる気がなくなっていたのだが、裏に回ってみると確かに空から水が降ってくるようで意外と見応えがある。


夕暮れ頃にレイキャビクに帰還。
丸1日寒い中を動き回ったので疲れていたが、このままオーロラを見に行くことになった。

アイスランド旅行記/南部周遊・スコーガフォス・氷河観光