Casco Viejo, Panama |
中南米の新市街は大抵面白みがないので、私はコロニアルな街並に食傷気味ながらも毎回必ず旧市街に泊ることにしていて、今回もカスコ・ビエホ内に滞在することにした。ある程度洗練されたブティックホテルの選択肢は意外と多い。
カスコ・ビエホはパナマ湾に突き出した半島に位置し、三方を海に囲まれた狭い地域だ(正確には半島の周囲を堤防のような道路が囲っており、本来海であるべき部分は茶色い干潟になっている)。通りはどこも細く、建物は2~3階建てで、グラナダやアンティグア、キューバのトリニダーのように広めの通りと一階建ての家並みという組み合わせとは雰囲気が違う。こちらの方がより都会的?なイメージだ。
家並みは他のコロニアルな観光都市に比べると全く整備されておらず、廃墟や空き家のような建物が目につき、人が住んでいる建物も絶望的にボロかったりする。この国のGDPや新市街の高層ビル街を考えるとあり得ない放置っぷりだが、至る所に工事現場があったので、急ピッチで整備を進めているのかもしれない。
個人的にはこの侘しい佇まいは好きだが、昼間に訪れると一般的に言えばあまり見栄えはよくないだろう。
カスコ・ビエホからも新市街のビル街は見えるが、そのギャップは凄まじい。
それにしても、本来は海に面しているはずの半島をなぜ堤防で囲ってしまっているのか理解に苦しむ。
茶色い干潟は見苦しく、観光地としての魅力を大幅に損なっていると思うのだが。
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宿は最初にLos Cuatro Tulipanesというアパート形式のホテルに泊まった。
Casco Viejoの中心に近いコロニアルな家屋で、広くてキッチンや洗濯機も付いている。
パナマ自体の物価が高めなので値段もそれなりだが、雰囲気もよく、特に文句なし。
サンブラス諸島から帰って来た後はTantalo Hotelに投宿。
チャラ目の(なんちゃって)デザインホテルで、NYで言えばNomadやAce Hotelに相当する位置付けだろう。
ルーフトップのバーが売りだが、地元の若者と観光客が騒いでいて割とうるさい系である。
部屋は広く、デザインとカラーリングのセンスは微妙だが値段(1泊$160)を考えると全体的に悪くはない。
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カスコ・ビエホは夜の方が断然いい。
暗くて建物のボロさが目立たないせいもあるだろうが、暗く人影のない通りも日中より情緒があり、そこかしこに開放的な雰囲気のバーやレストランのが店を開く。
裏通りに軒を連ねる店は夜見てもボロいが、真っ暗な通りに浮かぶ電灯は夜の海の僚船の灯りのような親密さがある。
通りの角にはどこも警官が立哨していて、治安対策を講じてここを観光地として売って行こうという姿勢が感じられる。
広場にはどこも夜になるとレストランがテーブルを出す。心持ち、レストランも他の中米諸国より洗練されている気がする。
夜は昼間の炎暑が退いて快適な気温で、外で飲むビールとワインがうまい。
カスコ・ビエホはあまり旅行者の評判はよくないのだが、無菌状態に整えられたディズニーランドのような街より、個人的にはこういう自然な場所の方が好み。パナマシティに観光で泊まるとしたら、間違いなくカスコ・ビエホの方が楽しいだろう。
パナマ旅行記/パナマシティ観光/カスコ・ビエホ