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Sighisoara
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昨日の長距離ドライブ(長距離になったのは道に迷ったせいでもあるのだが・・・)の疲れが半分取れないままに、シギショアラの街を散策。

シギショアラはブカレストから300kmほど北西に離れたトランシルヴァニア地方の都市で、12世紀に遡る歴史地区は中世の城郭都市の美しい街並みが残り、世界遺産にもなっている。ルーマニア観光のハイライトといっても過言ではない。
メジャーな観光地だけあって、どこの家も建物は古いはずだが手入れが行き届いていて、塗装も塗り立てのように色鮮やかで新しい。家々の外壁はオレンジ系のパステルトーンを基調にしつつ非常にカラフルだ。きっと景観の保存に力が注がれているに違いない。

観光客向けのオープンカフェも多くて街の雰囲気は明るく、ルーマニアというよりプラハやブダペストあたりの華やかな方の東欧っぽい。端から端まで歩いても10分もかからないような小さな街で、こじんまりした旧市街が好きな人にはたまらない場所だろう。


街のあちこちにかつてここが城砦都市だった名残のギルド塔が残る。
また、この街はドラキュラことワラキア公ヴラド3世の生家が残っている。黄色くペイントされた時計塔の前の家は観光名所兼カフェになっていて、ドラキュラの陰惨なイメージとは程遠い感じである。

ちなみにヴラド公といえば誰彼構わず串刺しにした残虐な君主ということくらいしか知らなかったが、実際はオスマン帝国に対して勇猛に闘った英雄らしい。もちろん後の小説の材料になるだけあって、抵抗勢力の貴族や敵兵を串刺しにしたが数が多すぎてまるで林のようだったとか、病人をまとめて焼き殺したとか残虐伝説には事欠かない。


街の中央近くには時計塔が聳える。シギショアラのランドマーク。
塔の起源は14世紀だが、現在残っているのは大火事の後に17世紀に建て替えられたもの。いまだに当時のままの人形時計が現役で使われていて、時間になると時計の脇の人形が動く。


塔の上からは街が一望。天気にも恵まれ、メチャクチャ綺麗。
のどかで風光明媚で可愛らしく、何もかもブカレストの正反対である。
欄干の上には世界中の都市への距離を記したプレートがある。ここから東京まで8890km。

塔の中は博物館になっていて、特に下の方には拷問道具を展示したスペースがあった。
中世都市で、十字軍騎士団もいて、オスマンとの攻防もあったとなれば当然魔女狩りも盛んに行われていたんだろうなぁと想像。


街の南西にある小高い丘の上には、木の屋根で覆われた長い階段が下から続いている。
丘の上の木立の中に山上教会があり、教会の脇には墓地が広がっていて、明るく拓けた丘の下とは対蹠的な落ち着いた雰囲気だ。



日が暮れると広場には人々が夕涼みに集まってくる。
カフェやレストランは多いが、暗くなるとどこも早めに店仕舞。町並みのライトアップは気合いが入リ過ぎていて眩しいくらい。のどかな町なので夜でも出歩くのは問題なく、治安が悪いルーマニアの中では珍しく気を緩めてのんびりできる場所でもある。


町並みは他の東欧の古い町と比べて際立った特徴があるわけではないが、丘の上にある城砦都市と時計塔の保存状態は素晴らしく、街の規模感も歩きやすく居心地がいい大きさでちょうどいい。
ブラショフまで来たら、迷わずにシギショアラまで足を延ばすべきだろう。