年が明けて2013年1月1日、ナミブ砂漠を離れて大西洋岸の街、Swakopmundに向かった。
翌日、午後のフライトでウォルビス・ベイからケープタウンに移動。空港に向かう前に、朝のスワコプムンドを散策した。生憎小雨が混じる空模様で、朝の光の下でもやはりスワコプムンドの街は沈鬱な気配が瀰漫している。そしてあたかも無人の映画のセットに迷い込んだように、今日もほとんど歩く人を見かけない。
午前11時、車でスワコプムンドを出発し、海岸沿いの国道を南下してウォルビス・ベイの空港に向かう。道は両側を砂丘と荒れた波が押し寄せる大西洋に挟まれ、美しくも非日常的な光景が続く。
ウォルビス・ベイがナミビア最大の港湾都市かつ海軍の基地でもあるせいか、沖合にはタンカーや商船に交じって巡洋艦らしき船影も浮かぶ。
途中ウォルビス・ベイでの給油も含め、1時間足らずで空港に到着。
砂漠の茫漠とした広がりの中に、唐突に小じんまりとしたターミナルビルが現れる。空港の周辺数キロにわたっておよそ一切建物というものが存在しない。
予定通りの時刻に離陸した飛行機は、砂漠の上空を一路南へと向かう。
離陸後すぐに、黄土色の海岸沿いの砂漠地帯と、内陸の淡い赤褐色の砂漠との境界を越えた。こうして鳥瞰すると、二つの砂漠の色合いがはっきりと異なることが見て取れる。
宿:Hotel Deutsches Haus (スワコプムンドのTripadvisorで1位)。部屋は狭く、建物もお世辞にもきれいとは言えず、正直今ひとつだった。値段相応(約$120)といえばそのとおりかもしれない。
ナミビア短評:
交通手段が限られ、未舗装道路をレンタカーで長時間移動せざるを得ない点が難点だが、無人の広大な荒野や巨大な砂丘、スワコプムンドのゴーストタウン然とした静謐な空気を味わうためだけでも訪れる価値がある。シーフードもうまい。今回は行ってないが、エトーシャやヒンバ族もいいらしい。
ソススフレイからスワコプムンドは日本でいえば東京から浜松や名古屋くらいの距離だが、その間沿道に街や商店やガソリンスタンドを一切見かけなかった。道は荒涼とした原野を貫いて果てしなく続き、時折路傍にダチョウやインパラが姿を見せるだけだ。
変化の乏しい風景を運転すること8時間、ようやく大西洋岸のウォルビス・ベイに到着した。
Walvis Bayからスワコプムンドにかけて、海岸線と平行して数百メートル内陸に巨大な砂丘が続いている。そのうち最も有名なDune 7は主に現地の黒人の遊び場になっていて、麓でバーベキューをしていたり楽しげだ。このあたりの砂丘は、Sesriemの砂丘と比べると赤味が少なく、一般的な砂漠の色に近い。
ウォルビス・ベイから海岸沿いの道を30分ほど北上するとスワコプムンドに至る。
まるで西部劇に出てくる荒野のゴーストタウンのように人気がなく、最果て感が満載の街だ。昔アンジェリーナ・ジョリーがナミビアで出産したことが話題になったことがあったが、その時滞在していたのはスワコプムンドらしい。
チェックイン後、早速夕食を食べに町を散策してみた。ドイツ植民地だっただけあって、ドイツの田舎町風の建物が多い。ゴミも落ちてないし、とても小奇麗な街でもある。
町は大西洋に面していて、炎暑の内陸部と打って変わって、真夏にもかかわらず冷たい海風が吹きすさび肌寒い。海は驚くほど荒れていて、夏でこれでは一年中泳げる時期なんてないんじゃないかと思えるほどだ。
埠頭の近くにあるThe Tugというシーフードレストランで夕食。
中が満席だったので止む無くテラス席にしたのだが、とにかく寒く、とても夏とは思えない気候。
しかしエビや舌平目、生牡蠣等のシーフードは新鮮で美味だった。
食後、桟橋の先端まで散歩してみる。
荒い波が押し寄せ、時折桟橋の上まで洗う。「危険なので自分のリスクで歩くように」との警告のサインがあるので、時々人が流されたりしているのかもしれない。
しかしそんな桟橋の先端にも小奇麗なレストランがあったりするので、ナミビア人の危険に対する感覚はよく分からない。
空気中に漂うナミブ砂漠の砂塵のせいか、空は曇天にもかかわらず赤茶色に染まり、押し寄せる高波と相俟って、まるで世界の果ての街に来てしまったような感覚に陥る。実際はただの大西洋岸の鄙びた街に過ぎないのだが。
ふと、2年ほど前にモーリタニアのヌアクショットの浜辺で同じような気分を覚えたことを思い出す。サハラが近くまで迫り、タコ漁船が浮かぶだけの殺伐とした海岸だった。アフリカの大西洋岸の町はどこか似たような雰囲気を持っているのかもしれない。
街にはまだクリスマスの飾りつけが残っていて、海鳴りが響く寂寞とした風景に幾ばくかの温もりを点じる。冬に来たら非常に寂しい街に違いない。あまりの肌寒さに再び腹が減ったので、再度ホテル前のバーで飲みなおした。ドイツ領だったせいかビールがうまい。
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翌日、午後のフライトでウォルビス・ベイからケープタウンに移動。空港に向かう前に、朝のスワコプムンドを散策した。生憎小雨が混じる空模様で、朝の光の下でもやはりスワコプムンドの街は沈鬱な気配が瀰漫している。そしてあたかも無人の映画のセットに迷い込んだように、今日もほとんど歩く人を見かけない。
午前11時、車でスワコプムンドを出発し、海岸沿いの国道を南下してウォルビス・ベイの空港に向かう。道は両側を砂丘と荒れた波が押し寄せる大西洋に挟まれ、美しくも非日常的な光景が続く。
ウォルビス・ベイがナミビア最大の港湾都市かつ海軍の基地でもあるせいか、沖合にはタンカーや商船に交じって巡洋艦らしき船影も浮かぶ。
砂漠の茫漠とした広がりの中に、唐突に小じんまりとしたターミナルビルが現れる。空港の周辺数キロにわたっておよそ一切建物というものが存在しない。
予定通りの時刻に離陸した飛行機は、砂漠の上空を一路南へと向かう。
離陸後すぐに、黄土色の海岸沿いの砂漠地帯と、内陸の淡い赤褐色の砂漠との境界を越えた。こうして鳥瞰すると、二つの砂漠の色合いがはっきりと異なることが見て取れる。
ナミビア短評:
交通手段が限られ、未舗装道路をレンタカーで長時間移動せざるを得ない点が難点だが、無人の広大な荒野や巨大な砂丘、スワコプムンドのゴーストタウン然とした静謐な空気を味わうためだけでも訪れる価値がある。シーフードもうまい。今回は行ってないが、エトーシャやヒンバ族もいいらしい。
ナミビア旅行記:スワコプムンド/ウォルビスベイ