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アンタナナリボへ
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無事ブジュンブラを離陸した飛行機はキガリに向かう。夜の闇の底に、月光を映すタンガニーカ湖がかすかに明滅する。
キガリには30分ほどで到着。ここでヨハネスブルグ行に乗り換える際にトランジットカウンターで問題発生。ブジュンブラ側の手違いで、キガリからヨハネスブルグ行の便にチェックインできてないという。ブジュンブラであれだけ手間と時間かけてあのボ●クラ係員たちは何やってたんだろうか。
小一時間いろいろ連れまわされた挙げ句、出発時間ギリギリでなんとかチェックインに漕ぎつけるが、やっぱりブルンジは鬼門の様子。

さらにこの後セキュリティーチェックを通る際にも問題発生。
金属探知ゲートを抜けてコンベヤの前で荷物を待ってると、荷物が一向に出てこない。他方、私のリュックと同じ黒のリュックが置き去りにされている・・・

案の定、前の客が私のリュックを持ち去ったらしく、顔面蒼白になって係員に説明すると、置き去りにされたリュックの荷物タグを調べるからちょっと待ってろという。少し経って戻ってくると、既に持ち主はナイロビ行の便に搭乗してしまってるが、まだ離陸していないので取り返すために職員を飛行機まで行かせるから大丈夫、とのこと。急がないと間に合わないのに、あまりに作業が緩慢でトロかったのでさすがに文句を言うと、周りの乗客も何人か「さっさと取り返しに行け」と加勢してくれた。

しばらくすると、どうやら間に合ったらしく職員が私のリュックを持って戻ってきた。念のため中身をチェックするが、特に無くなった物もなく、純粋に取り違えた模様。それにしても同じ色というだけで形も大きさも材質も異なるリュックを取り違えるアホさはマジで理解も想像もできない。さすがアフリカである。
なお、去年も出張帰りに成田でRimowaのスーツケース取り違えて持っていかれたことがあるので、単に私の運が悪いだけなのかもしれないが。

ヨハネスブルグまでのルワンダ航空便は、なぜか隣の空いてる席にCA(男)が座ってきた。え、座っちゃうの?というこちらの反応もお構いなし。さすがアフリカである。


明け方にヨハネスブルグ空港に到着。前来たのは2000年だから実に12年ぶりだ。
ワールドカップがあったこともあって、空港は完全に新しい建物になっていて非常に近代的で快適。やはりアフリカ内において、南アの発展度は別格。

NY以来の近代的で清潔な環境に気分が上がるが、期末試験以来ノンストップでハードな移動をしてきたので、どうも体調が悪い。アンタナナリボへのフライトまで数時間、フードコートでビールを飲んでぼーっとして過ごす。


ヨハネスからアンタナまでは3時間ちょっとで、東京=上海間くらい。
マダガスカルの後モーリシャスに行くので、ヨハネス→アンタナ、モーリシャス→ヨハネスのチケットと、更にアンタナ→モーリシャスの片道、アンタナ・モロンダバ間の往復チケットを購入。価格は以下のとおり。
  • ヨハネス→アンタナ、モーリシャス→ヨハネス: 8900ランド(約9万円)(SAのサイトで購入)
  • アンタナ→モーリシャス片道:322ドル(モーリシャス航空のサイトが機能してなかったのでedreamsで購入)
  • アンタナ・モロンダバ往復:444ユーロ(マダガスカル航空のサイトが機能してなかったのでgovoloで購入)
繰り返しになるが、アフリカは本当に飛行機が高い。特にマダガスカル関連の航空運賃は高く、モーリシャスはホテルが劇高である。マダガスカルはバオバブとキツネザルくらいしか見たいものがないので、それほどコストをかけて行く価値があるのか悩ましい所だが、結局、今行かないと一生行かなそうというありがちな理由でとりあえず行ってみることにした。


飛行機はモザンビーク、インド洋の上空を通過してマダガスカルに到着。
アンタナナリボは生憎の雨模様。

マダガスカルはビザが要る(空港で取得可能)が、2012年12月現在、観光の促進のため暫定的に無料。なお、ビザ発給係が露骨に賄賂を要求してきた。陸路の国境での賄賂要求は発展途上国ではよくあるが、空港ではさすがに珍しい。
なかなかハイレベルなダメ国家の予感である。

空港からアンタナまではシャトルバスがあるが、雨だし体調も悪かったのでタクシーで移動。45000アリアリ(20ドルくらい)。マダガスカルの通貨は実に可愛らしいことにアリアリ(ariary)という。


空港を出た途端、予想以上に薄汚れた街並みが広がっていた。
特にスラムというわけではないのに、雨の効果と相俟って、とても惨めで貧しい印象だ。体調が悪いこともり、見ていて陰惨な気分になってくる。
空港からの道は雨のせいで渋滞し、アンタナまでは1時間以上かかった。


マダガスカルの人種構成は特殊だ。
数千年前にアジアから渡来したと考えられているモンゴロイド(現在のボルネオ、大スンダ列島あたりと遺伝子的に同系統だが、語族的にはオーストロネシア)と、アフリカ本土からの黒人の混血が多く、そこに近世以降のインド、マレーあたりからの移民が加わる。全体的にアジア人の顔立ちに近く、食も米色でアジア的である。


Palm Hotelに宿泊。割と小ぎれいで100,000アリアリ(約45ドル、朝食・wifi込)でかなりグッドバリュー。
スタッフも親切でおすすめ。


ホテルと同じ経営のOrion レストランに夕食に行く。
アンタナは治安が悪いので、原則として夜間の移動はタクシーが必須。レストランはすぐ近所だったので小走り。確かに街路は暗く、浮浪者や売春婦、挙動不審者がウロウロしていて雰囲気は悪い。


レストランで風邪気味の鼻をグスグスさせてたら中華系の店員がティッシュを持ってきて、鼻炎に効くという中国茶をサービスしてくれた。超親切。メシもうまいしいい店だった。