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衝撃のマダガスカル航空
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今日はアンタナナリボからモロンダバまで移動。
時間がないのと、陸路での移動(タクシー・ブルース)がなかなかしんどいとの噂だったので事前にマダガスカル航空の往復チケットを買っておいた。
ちなみにこの路線、マダガスカル航空しか就航してないせいもあってか近距離国内線なのに444ユーロとボッタクリである。普通にマダガスカルの一人当たりGDP(2011年推計465ドル)よりも高い。

さらに、マダガスカル航空は自由自在にスケジュールを変更する。
迂闊にもその悪評を知らなかったのだが、マダガスカルに到着後、空港からタナに向かうタクシーの運転手に「明日モロンダバに飛ぶならフライトの時間をちゃんと問合わせた方がいい。今日もフライト時間が変更になって、そのせいで飛行機に乗り遅れた日本人がいたし。マダガスカル航空は本当にひどい会社だからね。」と言われたので、ホテルに到着後、念のためレセプショニストに確認を頼んだ。すると、翌朝9:00発のフライトが朝7:00発に変更されたという。

フライト時間が遅れるのはよくあるが、前日の夜に何の連絡もなしに翌朝のフライトをいきなり何時間も早めるなんて寡聞にして聞いたことがない。そんなことしたら、みんな乗れないと思うんですが。

そんなわけで、半ば呆れながら翌朝4時に空港に向かうと、到着した先には既に長蛇の列。どうやら前日のスケジュール変更で乗り遅れた繰越し組が結構いる模様。まあ、普通にしてれば乗り遅れるよな。

困難はこれで終わらない。チェックインを捌くペースが尋常ではなく遅いのだ。筆者の前に10数人並んでいたが、筆者がカウンターに到達するのに3時間以上を要した。ものすごい人ごみだし、風邪気味だし、信じられないほどの職員の無能さにもう我慢の限界である。

しかしこれもまだ序の口だった。
他の便もスケジュールが前倒しされまくってるのに、事務処理が遅過ぎるせいでチェックインに並んでいる間に搭乗時間を過ぎてしまった乗客が続出し、彼らが我先にカウンターに押し寄せて喚いてるもんだからもう大混乱である。そうこうしている間に、筆者の便も出発時間まで30分もなくなってる。待つこと3時間以上、疲労困憊ながらも列の先頭まで辿り着くが、カウンターでチケットを示してチェックインさせるように職員に伝えても、職員はこちら無視したまま、緩慢な動作で他の作業に没頭をしている。完全にイカれてるというしかない。

更にカウンターの前で待つこと30分。既に飛行機の出発時間を過ぎてしまい、もはや何がどうなってるのか分からない状態ながらも辛抱強くチェックインさせろと言い続けてると、今度は職員が「モロンダヴァ行は一杯だからお前は乗れない、文句があるならクレーム係に言え」と言い出した。

ここでさすがに堪忍袋の尾が切れ、「何言ってるんだふざけんな、朝から何時間並んで待ってると思ってるんだ、責任者を出せ」と怒ると、「どうせ我々はア●ですから」と開き直る始末。タチが悪すぎる。こちらも遠慮なくキレて怒鳴り続けていたら、やっと責任者らしいのが出てきて渋々チェックインの作業に取り掛かった。フライトは一杯じゃなかったのか?さっきの職員は障害者枠か何かだろうか。

およそ信じ難い阿鼻叫喚を経て、這々の体でなんとか離陸直前の飛行機に乗り込む。
20人乗りの飛行機は実際は空席だらけだったが、今更怒ったり呆れる気力すらない。ちなみに搭乗券に書いてある搭乗時刻は8:40だったが、飛行機は何のためらいもなく8:00に離陸した。清々しいまでにデタラメである。

それにしても、気の弱い旅行者だったらあの頭のおかしい職員に言われるままに、本当にフライトを逃していたに違いない。というより、そもそもなんで飛行機ひとつまともに飛ばせないのか。

アフリカを旅していると、親切な人々もいる反面、残念ながら先進国では当然の能力や道徳心が欠如した無能、粗暴、無礼な人間に接する機会が他の大陸に比べてダントツで多い。これはもちろん人種的な資質ではないはずで、社会的環境や教育に負うところが大きいのだが、アフリカでは社会がどうしようもない独裁者に指導されていたり、まともな教育なんて存在しなかったりするので問題は根深い。


フライト中くらいコックピットのドアは閉めろといいたい。
ちなみにドアは木製。


幸い飛行機は墜落することなくモロンダヴァに到着。
この一件で完全に体調を壊したので、この日はキリンディ国立公園に行く予定を諦めてモロンダヴァで寝ることにした。


翌日から予約をしていたChez Maggieに1日前倒しでチェックイン。
エアコン無し、朝食・wifi込で88000アリアリ(約40ドル)。早々にランチを食べて寝る。

なお、翌々日のモロンダヴァからアンタナへの帰りの便は、15:00発の便が前日の夜になって何の連絡もなくいきなり朝8:00発に変更されるという、更なるウルトラCであった。
前日他の町に泊まってたら絶対乗れないし、朝予定入れてたらどうするつもりなんだろうか?マダガスカル人には予定なんてないんだろうか?これで会社として成り立っているのは驚きというより他ない。

以上の次第で、マダガスカル航空は全くもっておすすめできない。そもそも予定が一切立てられないし。
とはいえタクシー・ブルースはきついらしいので、現状では快適な移動をしたい旅行者は4WDをチャーターするしかないかもしれない。