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マーチソン・フォールズの悲劇
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高原にあるカンパラの朝は涼しい。
未明の闇は霞のようにゲストハウスの輪郭を曖昧にし、やがて薄れて消えていく。

マーチソン・フォールズへのツアー(23日でUSD280)は朝7時発なので、その前にメールをチェックするために6時頃に起きだしてメインの建物に向かう。メインの入り口はまだ閉まっており、建物の脇の入口を、水溜りとその横に寝ている宿の大きな飼い犬を避けて入っていく。

◆◆◆

あまり知られてないかもしれないが、ウガンダにはナイル川の源流がある。
ビクトリア湖から流れ出たビクトリア・ナイルは、更にいくつかの湖を経て白ナイルとなって南スーダンを北上し、ハルツームでエチオピアのタナ湖に端を発する青ナイルと合流する。
マーチソン・フォールズ国立公園はその途中、キオガ湖(Lake Kyoga)とアルバート湖(Lake Albert)の間にある。

マーチソン・フォールズはその名のとおり滝が有名だが、一応野生動物のサファリもできる。ただし、1950年代にはマサイマラやセレンゲティに並ぶ国立公園だったものの、その後の乱獲で個体数が激減して今ではかなりさみしい状況らしい。

個人的には、マーチソン・フォールズといえば大江健三郎の「河馬に噛まれる」を思い出す。
主人公の一人である浅間山荘事件OBがマーチソン・フォールズ国立公園で働いており、タイトルの通りカバに噛まれるという設定だ
◆◆◆

緑色に塗られたトヨタの中古のバンに、異常にハイテンションなスウェーデン人外科医の夫婦+娘+娘のボーイフレンドの4人組、ドイツ人夫婦+娘の3人組と筆者の8人の組になった。かなりのアウェー感。どちらの家族も、娘がそれぞれウガンダとルワンダにボランティアに来ているので両親が遊びに来た、という非常にヨーロッパ人的なセッティング。日本人も青年海外協力隊とかあるけど、若い女子が気楽にアフリカにボランティアにくるノリはないよなー。


マーチソンフォールズ国立公園まではカンパラから約6時間。道中、異常にハイテンションなスウェーデン人医師が「ここらへんはツェツェバエがいるから窓を閉めないと」「この地方では先月エボラで死者が出た」等々まくしたて、始終窓を開閉させられるので結構疲れた。

昼過ぎにマーチソンフォールズに到着。
さっそく滝を見るために丘を登っていく。


しかし、滝を上から眺めるルートを歩いてると突然の豪雨に見舞われる。
周囲に雨をよける場所は全くなく、とっさにカメラをTシャツの下に庇って走って駐車場まで戻るが、時すでに遅く、カメラは水を直接浴びたように水浸しになっていた。

しかも焦ってカメラを乾かす前に電源を入れてしまったため、一瞬ONになったものの、その後は電源も入らず、ウンともスンとも言わなくなってしまった。完全に死亡である。半年前に買ったばかりなのに・・・・・・
周りの人々に「よく乾かしてから電源入れたら動くかもよ!」と慰められるも、さすがにへこみまくりである。

体はパンツに至るまで全身搾れるくらいずぶ濡れで、ズボンもドロドロ。アフリカは侮れない。


へこんでてもしょうがないので、雨が弱まった頃にサブのコンデジを持ってマーチソン・フォールズの近くまで見に行った。狭い谷間をナイル川が目の前で荒れ狂いながら落ちて行き非常にダイナミックだ。



滝の後は宿泊地のキャンプに向かった。
ベッドのあるテント泊。電気・ネットなし。運よく二人用のテントを一人で使うことができた。
あたりをイボイノシシがウロウロしており、夜にはカバも出没するらしい。