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国民投票前夜のカイロ
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期末試験も終わり、ついに東南部アフリカ周遊の旅に出発。ブラック・アフリカは実に4度目(長期は3度目)、アフリカ全体では6度目。特にアフリカ好きというわけではないんだけど、働いてるとなかなか行けないからなぁ。
今回は、今まで行きそびれていた東部・南部アフリカの国とスポットを巡るのが目的。期間はそれほど長くないものの、精力的に動いて15カ国をカバーする予定(うち初訪問は10カ国)。さすがにいい年だし、アフリカの移動はきついのであまり貧乏旅行はしたくないものの、高級ホテルに泊まり続けると宿泊費だけで1万ドルを超えてしまうので、なるべく飛行機を使いつつ、50~100ドル程度の安~中級ホテルに泊まるつもり。

◆◆◆

昼過ぎに自宅から歩いてPenn Stationまで行き、LIRR(Long Island Rail Road)Air Trainを乗り継いでJFKに向かう。合計8ドル。初めて乗ったが、タクシーだと50~60ドルだからかなり安い。

カイロ行の便は空いていて、3席をつなげて横になって寝られた。9時間半ほどのフライトで翌日の昼過ぎにカイロに到着。


カイロは実に9年ぶり。空港のビルも新しくなっていて、昔の古い建物の面影はない。驚いたことにビザ代の15ドルは変わっていなかった。

ナイロビ便の接続まで9時間あり、最近のエジプト情勢を考えて(しかも国民投票日が翌日に控えていることもあって)空港で時間を潰す予定だったが、大して時間を潰せるところもないし、折角なので町に出てみることにした。エジプトは来月NYへの帰路にも再度寄る予定で、ピラミッドはその際に再訪するつもりだったので、とりあえずカイロ市内の行ったことがない所に行くことに。

ガイドブックや地図は持ってないのでInformationカウンターで無料の観光地図等をもらおうとするが、そのようなものはないとのこと。仕方なく売店でカイロの地図を買うが、開くと畳一畳分くらいの大きさにもかかわらず役立つ情報は全く載っていない。こういうときGoogle mapの有難味を改めて実感する。

ちなみに日本ではどこのキャリアも海外パケット放題があるが、アメリカのキャリアはそんな気の利いたサービスは提供しておらず、筆者が使ってるVerizonも海外ローミングするととんでもない金額になるので、アメリカの外に出たらWifiに頼るしかない。

カイロ空港はしょっちゅう切れるが無料のwifiがあったので、カイロ市内の名所をリサーチし、結局Cairo TowerIslamic CairoMuizz StreetCitadelに行き、可能であればタハリール広場(Tahrir Square)にも寄ってみることにした。それにしてもアラビア語の地名はやっかいだ。日本語サイトで調べるとアルファベット表記がわからずGoogle map検索できないし、英語で調べても表記法が複数あってなかなかGoogle mapでヒットしない。ムイッズ通り→Muizz Street(一般的な英語表記。しかしGoogle mapでヒットせず)→Moez StreetGoogle map上の表記)といった感じ。

市内まではバスで行こうかと思ったが、荷物も重く別のターミナルで乗換えが必要みたいだったのでタクシーをチャーターすることにした。交渉の結果、4時間で200E£(33ドルくらい)まで下がる。結果的にはカイロ市内で重い荷物を背負ってタクシーを探したり時間を無駄にすることもなかったのでいい選択だった。


Cairo Towerに向かう。久しぶりのカイロの街並みは相変わらず煤けていて、この9年間に新しく建てられた建物など何一つないようにすら思える。中東は2008年以来だが、今年のはじめにチュニジアに行ったせいか、街の雰囲気はあまり久しぶりな気がしない。



Cairo Towerはナイル川の中州にあって、高さは180m程度。外国人の入場料はE70($10以上)と高い。ちなみにエジプト人はE£20だった。普通のマンションみたいな小さいエレベーターに乗って展望台に上ると、ファラオの恰好をしたガイドがうろうろしてる。

風が強くて寒いが、カイロ市内が眼下に広がり爽快。遠くにギザのピラミッドが霞んで見える。


今回の旅行用にサブカメラとして買ったPowershop SX260500mmズームを試してみる。いつものレンズは105mmまでなのでここまでアップで撮れるのは新鮮。しかし画質は等倍で見ると塗り絵状態。。ブログサイズなら問題ないレベルか。



この寒いのに屋外プールで泳いでいる客が大勢いる。
考古学博物館の隣には火事で焼けたような建物が見える。そのすぐ脇には、おそらく既に廃業しているらしい恐ろしく古びたRitz-Carltonの建物があった。


Citadel内のMuhammad Ali Mosqueに移動。要塞のある丘の上にあって、遠くからでもその姿を望見できる。途中、タハリール広場に寄れないか運転手に聞いてみるが、選挙前の両陣営の衝突もあり、とても車で寄れるような状況ではない模様。残念。

そういえば、記憶よりも黒のアバヤを着ている女性が多い。ジャスミン革命後の保守・イスラム化の影響なのかもしれない。ヨルダン、シリア、レバノンや湾岸あたりよりもアバヤの割合は高い気がする。

準フル装備アバヤ同士の写真撮影大会を見かける。誰が誰かわかるのか??
これに黒の手袋と目を隠すベールが加えたフル装備の人もいる。



Muhammad Ali Mosqueの外観はイスタンブールのブルーモスクに似たオスマントルコ風のスタイル。中庭は白い大理石が敷き詰められ、ダマスカスのウマイヤドモスクを4分の1くらいに小型化したイメージ。内部は円形の照明が天井から下がっており、ドーム天井を合わせて非常に美しい。


Citadelの丘の上からはカイロの歴史地区が一望できる。丘のふもとには廃墟のような朽ち果てた建物が立ち並ぶ。


夕暮れ時、Moez Streetに移動する。かなりゴミゴミしていて問屋街っぽい。
ところどころにミナレットを持つモスクが点在するし、アザーンが響き渡る。


モルシ大統領の滅茶苦茶な大統領令とイスラム保守派の憲法改正案の国民投票を控え、タハリール広場やエジプト全土での焼き打ちや衝突が報道されてたが、カイロの普通の町は至って平和で特に警官の数が多いという印象も受けなかった。まあ、限られた場所しか見てないからなんだろうが・・・

18:00頃に空港に戻り、ビールを飲んでパサパサのチキンを食べながら時間をつぶす。トランジットの半日観光はやはり楽しい。