カイロ21:45発の便に乗り、一路ナイロビに向かう。
乗りこむ際、制限区域内で買ったばかりで未開封のミネラルウォーターを没収される。制限区域内で買った飲料は持込可の空港が多いのに腹立たしい。まあテロが多いお国柄だから仕方ないのか。中身のチェックまでして飲み物を通してくれる日本の空港が懐かしい。
カイロまでとは打って変わって飛行機は混んでいた。しかも寝てたら機内食のときにスッチーが無遠慮に起こしてくる。いらないってのに。常に通路を人が行き来しててどうも落ち着かず寝られない。
午前3:30頃ナイロビに到着。
空港の様子は9年前に来た時と全く変わってない。11:00のエンテベ行きの便まで8時間ある。電源付近でパソコンを充電していたが予想外に寒く、寒さと戦いつつウトウトしてたら、気づくと黒人の女が隣の席に置いた荷物を勝手にどかして座ろうとしてる。周囲の席が空いてるのに気分が悪いので文句を言うと「ここは座るための席で荷物を置くための場所じゃない!」とキレてきたので諦めて放置して再び寝に入った。
朝になり、さすがに体も冷え切って疲れたし、店も開いてきたので空港内のバーに移動してビールを飲みながらハンバーガーを食う。Tuskerビール。なんだか見覚えがある。NYからの長時間移動でさすがに疲れ、バーのカウンターで居眠りしてたらバーテンに起こされた。
出発時間が近付いてきたので待合室に移動。窓ガラスに下手くそなサンタらの絵が描かれている。
ウガンダ航空機に乗り込むと、自分の席に既に黒人のオバサンが座ってる。どけというと、自分の席がダブルブッキングで座れないので座ってるとのこと。そうですか。もう自由席状態なのでこちらも気にせず適当に座る。
飛行機はサバンナの上空を飛び、やがて世界で2番目に大きい淡水湖であるビクトリア湖が眼下に広がる。飛行機の高度から見ても対岸は遠いが、見えないほどではない。昔カスピ海を飛行機で超えた時、岸を離れるとちょうど海の上と同じように陸が全く見えなかったことを思い出した。
カンパラ付近上空を通過して、エンテベ空港に着陸。有名なエンテベ空港事件の舞台なのでちょっと期待してたのだがなんてことない普通の空港だった。アフリカらしく、エミレーツとカタールが駐機している。
入場料50ドルを支払ってビザを購入。空港から町までは40キロほど離れており、タクシーは言値40ドル、交渉の結果30ドルになった。少し高い気がするが、長時間の移動で根性もなくなってたので早々に折り合う。街まで遠いがこれでも成田(東京まで60km)よりマシなのであまり文句は言えない。本当に成田はLCC専用にして国際線は羽田に集中して欲しい。
空港を出ると、予想よりさっぱりとして綺麗な田園風景が続く。カーステレオからはTevin CampbellのCan We Talkが流れている。懐かしの90年代のR&B。ふと、昔ナイロビの空港に向かうバスでTony Toni ToneのAnniversaryとToni BraxtonのBreathe Againがかかっていたことや、マプートの宿でBabyfaceのEvery time I close my eyesが流れていたことを思い出す。開高健の破れた繭やノルウェイの森じゃないが、耳の記憶というのは結構鮮明に蘇るものだ。
カンパラが近付いてくると、途端に道がゴミゴミして、薄汚れた建物が増えてくる。
途中、両替した後、今日の宿のSpeke Hotelに到着(USD138)。カンパラの数少ないコロニアルホテルで、コロニアルホテルをこよなく愛する身として外すわけにはいかないということで選んだのだが、正直アジアとかラテンアメリカのコロニアルホテルに比べると全く大したことなかった。チェックイン時に前払いを要求されるが合理性がないので断る。Wifiは無料。
50時間ぶりにシャワーを浴びて一休みした後、さっそくカンパラの街に出てみることにした。カンパラは世界遺産のブガンダ宮殿(超が付くほどショボいことで有名だった)が2010年に焼失したため、現在はほとんど観光地は存在しない。そんな中、国会議事堂と眺めがよいと噂のKibuli Mosqueが地図上では割と近所だったので散歩がてら行ってみることにした。
ホテルは街の中心の官庁街、東京で言うと霞が関とか丸の内に相当するエリアにあるため、周辺は非アフリカ的に整然としている。ジャカランダの花がわずかに咲き残っている。
国会議事堂への坂の途中の教会で結婚式を見かけた。飾り付けた旧式のメルセデスが連なっている。女性客の服装はかなり派手だ。全然ロマンチックな雰囲気ではないが、カンパラの一等地の教会で挙式できるカップルはウガンダではかなり裕福な部類に属するんだろう。
国会議事堂は週末なので閉館中とのこと。残念。外から写真を撮ってると、アジア系の男に写真を撮ってくれと頼まれる。話してみるとUNの仕事で東チモールから来たとのこと。珍しい。
Kibuliモスクは線路の反対側の丘の上にあるので、線路を跨ぐ交差点付近まで坂を下っていく。
カンパラは丘の上にあって坂が多い、というより平坦な道はほとんどない。途中バイタク(ボダボダ)にモスクまでの値段(言値3000シリング)を聞いてみるが、疲れてるときに乗ると普通に落ちそうなのでやめておく。
線路に近づくにつれて街並みが下町っぽくなってきて、あまり治安がいい雰囲気ではない。
線路を越えたあたりから、明らかに貧しそうな人々が地べたに座ったりウロウロしはじめ、一気にバラック建ての粗末な建物が増えた。完全な危険信号。しかも、丘の上に行く道が何本もあってよくわからない(そして例によってロンプラの地図はあてにならない)。更には雨が降ってきたので、諦めて引き返すことにした。
ホテルに帰って早めの夕食を取る。さっきの貧民街とは別世界。Nile Specialビールは軽くてうまい。ステーキもなかなかうまかった。移動で疲れ果ててたので早めに就寝。