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Viana do Castelo
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Viana do Castelo, Portugal
Hotel Britaniaで見た写真集で、ポルト以外にもう1枚心をとらえた写真があった。
丘の上にパリのサクレクール寺院風の教会が建ち、そのはるか向こうに湾曲する海岸線が続いている。
解説を見るとヴィアナ・ド・カステロという、ポルトから僅かに北にあるポルトガル北端の町だという。
しかも、ロンプラによれば漁業が盛んでシーフードが旨いとのこと。
シーフードにも眺めがいい場所にも目がない私は一も二もなく行ってみることにした。

ポルトからバスに乗り1時間半。
到着したビアナ・ド・カステロはリスボンやポルトとは違って新しい町だった。
人気のない鉄道駅から伸びるメインストリートのコンバテンテス通り沿いには新しい建物が並ぶ。

Train Station

Avenida dos Combatentes da Grande Guerra

ホテルは場所と値段優先でMargarida da Praçaに泊まる事にした。1泊€60。
町の中心の便利な場所にありインテリアも一見ポップで可愛らしいが、廊下は薄暗く、部屋も極めて質素であまり清潔感がない。しかもレセプションは英語が通じない。

最初に通された部屋にハエが何匹もいたので部屋を替えるよう頼むと、いまひとつこちらの趣旨が伝わらない。ハエが飛んでるのを指差してもスタッフはポカーンとしている。物凄い察しが悪いか、ハエくらい何でもないでしょというレベル感のサービスなのか、いずれにしても頂けない。確かに値段はリーズナブルだが、リスボンやポルトに割安で素晴らしいホテルが沢山あることを考えると、コスパは悪い。

Colorful Reception at Hotel Margarida da Praca

Spartan Room

気を取り直して、丘の上の教会、サンタ・ルチア教会(Confraria de Santa Luzia)へと行ってみることにした。
タクシーでも行けるが、鉄道駅の近くからケーブルカー(Funicular)が出てるのでこっちの方が楽しい。

Pink Flowers

Stylish Bulletin Boards, at the Funicular Station

Funicular Station

フニキュラーを降り、教会の方に歩いていくとふと視界が開けた。
眼下にヴィアナ・ド・カステロの町と、川を挟んだ南側に湾曲したアモローサ海岸が見える。
その向こうには果てしなく続く大西洋と海岸線が、霞の中の水平線へと消失していく。
確かにこれは絶景だ。

The Atlantic

Praia do Amorosa

Vintage camera, used by a tourist photographer

サンタ・ルチア教会は中心に大きなドームがあり、四隅に塔を配した、サクレクール寺院風の優美な建物だ。
四面それぞれに巨大なステンドグラスがあり、ずっと見てるとフクロウの顔に見えてくる。

Conrfaria de Santa Luzia
Reminds Me of An Owl

教会を見た後、私がこの町に来た理由である、例の「教会の俯瞰図の背景に大西洋」という構図が見られる場所を探す。これが見られなければ、ここもただの眺めがいい展望台に過ぎない。

教会から坂を上っていくと、段々と教会が下に見えてくるが、木が邪魔をしてなかなかいい構図が得られないし、高さも足りない。どうしても写真集でみた写真と同じアングルにならない。
なんとか一番いいポジションから撮影したのが下の写真。

The Church and the Atlantic

I had expected this...

なお、丘の頂上には豪華なポサーダ(Pousada de Monte de Santa Luzia)が建っていて(ポサーダとは城や宮殿を改装した高級国営ホテルシリーズのこと)、位置的に考えると、どうやら件の眺めはポサーダの上の階の海側の部屋から撮られたものらしい。

一応ポサーダでどこか撮影できるところはないか聞いてみたが、上階は全て客室になっていて入れないとのこと。残念。おそらくこのホテルに泊まっても海側の部屋でないとあの眺望は楽しめないのだろう。

このポサーダは眺めのいい部屋が空いていなかったので検討から外したのだが、ヴィアナ・ド・カステロに来る場合、早めに部屋を指定して予約しておくべきだろう。町から離れていて場所は不便だが、ホテル自体はなかなか綺麗で魅力的だった。

Pousada de Viana do Castelo
Ditto

若干がっかりしながら下っていくと、フニキュラーの終電が出た後で、仕方なくタクシーを呼んで下山。
なんだかついてない。

夕食に出がてら、町を散策してみた。
静かでこじんまりとした街並みで、家並みも2~3階建てと低層。素朴といえばその通りだが、美しい装飾や壮麗な建築があるわけでもなく、リスボンやポルトの後だと物足りない。日曜だからか店も軒並み閉まっていて、どこか寂れた印象だ。

Republic Square

Quiet Alley

A Boat
楽しみにしていたシーフードレストランは日曜なので軒並み閉まっていて、数少ない開いてる店で注文したムール貝はパサついてて全然旨くなかった。メシが旨いポルトガルにしては珍しいことだ。
なんだかついていない。

あまりに残念な食事だったので、メインストリートであるコンバテンテス通りで別の店も探してみたが、開いているのは軽食のカフェばかり。仕方がないので諦めて帰宅することにした。

A Cafe

Avenida dos Combatentes da Grande Guerra

総評すると、サンタ・ルチア山からの眺めはいいが(それも一番いい眺めはポサーダに泊まらないと見られない)、眺め以外は魅力に乏しい町だと感じた。リスボンとポルトが素晴らしすぎたからかもしれないが・・・。
ここに来るならポサーダに泊ってホテルライフを満喫するのがベストだろう。

一応この町の名誉のために付言すると、翌日食べたロンプラおすすめの店のシーフードは確かに美味かった。
レストランがお目当ての場合は平日に来るべし。