リスボンで暇していたので、次に行く場所を探すためにHotel Britaniaのラウンジにある観光写真集をパラパラめくっていたら、その中のポルトの街と鉄橋の写真に思わず目が留まった。ちょうど上の写真と同じ構図で、そのドラマチックなロケーションに魅せられてしまい、すぐに出発することにした。
リスボンからポルトはアルファ・ペンデゥラール(Alfa Pendular)という高速列車で3時間弱、距離は約300キロ。
車内はとても綺麗で快適で、走行も静か。途中、カラトラバっぽいデザインの屋根に覆われた駅に停車。
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Santa Apolonia Station, Lisbon |
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Inside Alfa Pendular to Porto |
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Santiago Calatrava? |
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An Alfa Pendular |
ポルトの鉄道駅は街から少し離れているので、タクシーでホテルへ。
ホテルはロケーション重視でレストランが集まっている川岸に近いCarris Porto Ribeiraにした。坂の多い(というより坂しかない)ポルトで歩き回るのは疲れるし、階段が多くタクシーも使いにくいので便利さを優先すべきとの判断。
インテリアはスタイリッシュ。眺めがなくて部屋が相当狭かったが、1泊€100なので贅沢はいえまい。
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Hotel Carris Porto Ribeira |
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One of the tiniest rooms ever |
ホテルはドウロ(Douro)川のすぐ近くで、埠頭にはテラス席を出したレストランが並ぶ。
座り込んでのんびりしている地元民を多く、川には観光客を満載した遊覧船が行き交う。
左手にはルイスI世橋が、文字通り覆いかぶさるような高さで頭上に聳えている。
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Zona Ribeirinha |
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Crazy Cheerful Tourists |
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Chilling |
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The Restaurant under Luis I Bridge |
件のポルトの街と鉄橋の眺めを見るため、対岸の鉄橋の脇にあるセラ・ド・ピラール修道院(Mosteiro da Serra do Pilar)に向かう。まずは橋のレベルまで登っていかなければならないのだが、この階段がかなり長く心臓破り。運動不足の身には辛い・・・ この町の人々は運動不足とは無縁なんだろう(適当)。
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Endless Steps to the Bridge |
橋の上に出るとポルトの町の息を呑むような景色が足元に。吹く風が階段を登って汗ばんだ体に心地よい。
案の定というか、埠頭の近くから上に昇るエレベーターが見えた。あんなの毎日登ってられないのは同意。そしてイベリア半島文化圏=町中のエレベーターという図式が更に補強された格好である。
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Elevator, Again |
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Runners in Red T |
修道院からの眺望は期待通り、いや期待以上に素晴らしかった。
これほど地形的にも町としても美しくドラマチックな場所はあまり多くない。
無骨で無機質な鉄橋と、オレンジ色の屋根が並ぶ古くどこまでも有機的な町並み。
鉄橋をくぐってゆるやかに蛇行するドウロ川が西陽を受けてキラキラとまばゆく輝く。
川の反射を受けて街の上空の空気は微光に満たされ、まるで薄い霞でもかかったようだ。
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The Breathtaking View of Porto and the Bridge |
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Ditto |
鉄橋の反対側、ポルトの対岸には河岸に降りるロープウェイがあったので乗ってみた。
右手にポルトを望みながら赤い屋根を超えていく。短いのであっけないが、階段を降りる手間が省ける&景色もいいのでおすすめ。
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Runners in Red T, Again |
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Porto from the Ropeway |
対岸は芝生に覆われた緑地や船着場になっていて、ポルトの街を眺められるレストランや屋台、移動遊園地があり、市民の憩いの場所になっている。ポルト側の川岸に比べて人は少なく、のんびりとした空気が漂う。
レストランのウェイターも屋台の店員も芝生でゴロゴロしている人々も、どこか気怠げだ。
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Chilling II |
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Empty Merry-Go-Round |
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A Racing Driver |
ポルト2日目、市内を歩く。
町中の建物はリスボンに比べると煤けて古びているものが多く、色合いもリスボンが淡いパステルトーンが多いのに対して、よりはっきりした色使いだ。小さくて細い建物が建て詰まっているのもリスボンではあまり見ない光景。
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Porto Cathedral and the Surrounding Neighborhood |
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Igreja de Santo Ildefonso |
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Dilapidated yet beautiful |
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A Blue House |
サン・フランシスコ教会は絢爛豪華な内装。
教会の脇には小ぶりな博物館が併設されていて、地下にカタコンベがある。
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Museu Venerável Ordem Terceira de São Francisco |
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Ditto |
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Catacombs, Igreja de Sao Francisco |
急坂を登って町の上部に向かう。坂と階段だらけで相当歩きづらい。
有名な教会に数か所寄ってみるが、何故か閉まっているところが多い。
クレリゴス教会は開いていたので、ポルト一高いと思われる塔の頂上まで登ってみた。
眼下には敷石を敷き詰めたように、オレンジ色の屋根が際限なく広がる。
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A Gentle Curve |
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Torre dos Clerigos |
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Roofs |
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At a Cafe, Near the City Hall |
サン・ベント駅のホールは装飾タイル(アズレージョ)で有名だ。確かに美しい。
ホールの壁は隙間なくカラフルなタイルで埋め尽くされ、青いタイル画はポルトガルの歴史の名場面を描いているらしい。
ふと、サルマン・ラシュディの小説"Moor's Last Sigh"で、ゴア(ポルトガル領)にある屋敷のタイル画に描かれた人物が知らぬ間に動いている、という一場面があったのを思い出した。オスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」以来の古典的な手法にラシュディ特有のマジックリアリズム(とポスト・コロニアリズム)を混ぜた格好だが、これほど細密なタイル画を見ると得心できてしまう。
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Sao Bento Railway Station |
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Azulejos (Decorative Tiles) |
サン・ベント駅から坂道をポルト大聖堂まで登っていく。
大聖堂の近くの路傍の噴水で子供たちが水遊びをしている。水遊びというか、完全にプール状態。
浅そうなのに、果敢にも皆頭から飛び込んでる。怪我するなよ。
ポルト大聖堂はごく普通の教会で、特に印象なし。
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A kid jumping into a small Fountain - too brave, obviously |
概ねポルトは期待通りの美しい町だった。
何でポルトガルはこんなに風光明媚なんだろう(対アメリカ比)。