|
Plaze de Mayor, Madrid |
リスボンからマドリードへのEasy Jetの便はどちらの空港もLCC専用ターミナルからの発着だった。
LCC専用ターミナルを利用するのは初めてだったが、内装や飲食店が目に見えて粗末で物悲しい気分になる。
しかもEasy Jetは従業員の態度が悪い上に荷物制限が異常に厳しく、あまりに安かろう悪かろうを地で行っていていたので、よほどの事がない限り多分二度と乗ることはないだろう。
スペインは小学生の時以来、実に20年以上ぶり(マドリードは初上陸)。
|
Plaza de Mayor |
|
Plaza del Angel |
早速夕食を食べに外に出かけてみる。
プラザ・デ・マヨールはライトアップされていて非常に美しい。夜遅くにもかかわらず夕涼みをする子連れの地元民と観光客が大勢いる。確かに南欧系は東南アジアと並んで宵っ張りのイメージだが、暑い土地だと自然とそうなるんだろうか。そういえば寒い所は店が閉まるのが早い気がする。
広場のあちこちで物売りが打ち上げた青白く光るおもちゃが空に舞い、竹とんぼのようにゆっくりと地上へと降りてくる。
翌日、市内を歩いた。
サン・ミゲル市場、アルムデナ大聖堂、王宮、プラド美術館と定番のコース。
マドリードはリスボンに比べると遥かに大きくて都会で、その反面街並みは特に美しくも特徴的でもなく、普通の南欧の町という印象。
|
Plaza de Mayor |
|
Mercado do San Miguel |
マドリードの新名所でもあるサン・ミゲル市場は2009年に再建された市場兼バルで、スタイリッシュなスペイン風デパ地下といった風情。その場でタパスやワイン・カバを買って飲食できるので楽しい。ちゃんとした食事というより小腹が減った時にちょうどいい感じ。味のレベルもよし。
|
Iiglesia del Sacramento |
|
Catedral de La Almudena |
|
Ditto |
|
Madrid from Catedral de La Almudena |
20世紀に建設されたアルムデナ大聖堂は真新しく、何ということもないただ大きいだけの大聖堂で、期待した屋上からの眺めも大したことはない。個人的には外から眺めるだけで十分だった。
|
The Royal Palace |
王宮はとにかく巨大かつ豪華で、王宮前広場もやたらと広い。
一般公開されている部屋はごく一部だが、どれも高価な美術品や調度で飾られていて、スペイン王室がいかに豊か(だった)か、もとい新世界からの搾取と収奪がどれほど激しかったかをよく分からせてくれる。ヴェルサイユやシェーンブルン等のヨーロッパの他の大型宮殿の中でもとりわけゴテゴテ感の強いインテリア。一見の価値あり。
|
The Royal Palace |
|
Gran Via |
|
A Book Store |
|
Galician octopus potatoes |
|
Museo Nacional de Prado |
やはりこの日一番よかったのはプラド美術館。
ベラスケス、ゴヤ、エル・グレコ等のスペイン美術からヒエロニムス・ボス等々のコレクションは圧倒的。寧ろ教会や聖堂などに行かずにここで時間を使うべきだった。
特にゴヤの「巨人」(正確には作者不詳だが)、「我が子を食らうサトゥルヌス」等の黒い絵を集めた部屋は圧巻。暗くてゴヤはあまり好きじゃないのだが、一堂に会すると鬼気迫るものがある。他にも「裸のマハ」やナポレオン軍への抵抗を描いた「マドリード、1808年5月3日」等の有名どころも充実。
|
Paseo del Prado |
|
Calle San Sebastian |
|
A Grocery Store
|
|
A Cinema |
一日マドリードを歩いての感想:景色や街並みは大したことないので、食事と美術館で時間を使うべき。
翌朝、コルドバに移動する前にソフィア王妃芸術センターに立ち寄った。
もちろん目当てはゲルニカ。むしろマドリードのメインがゲルニカと言っても過言ではない。
|
Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofia |
件の絵はひっそりとした特別室にあった。先に来た日本人の団体客が絵の前に陣取っていたがやがていなくなった(中国人だったらひっそりとは行かないだろう)。絵は事前のイメージより大きく一時に全体を把握するのは簡単ではないが、部分部分に目を凝らすと写真などではとても気付かないような細部が描かれている。
それにしても想像以上に物悲しい美しさの、心を動かされる絵だった。
時間がなくダリなど他の展示は駆足だったのでとりあえず画集を買ったが、この美術館は是非いつか時間をかけて再訪してみたい。