The Blue Lagoon, Malta |
コミノ島にあるブルーラグーンは透明度の高いエメラルドグリーンの海で有名なスポットだ。
スリーマからは多くのツアー会社が日帰りクルーズを出している他、陸路で近くの港まで行ってフェリーで渡ることもできるらしい。
出発した朝方は天気が今ひとつだったが、段々と晴れてきた。
海から見るとマルタ島は周囲を崖に囲まれていることがわかる。
沿岸には崖の上に築かれた町や、自然が器用に削った岩のアーチなどがあるが、概ね単調な風景。
Captain Morganという定番のツアー会社を利用したが、乗客が多くてあまり優雅なクルーズ気分とは言い難いので、カップルや家族連れだったらヨットをチャーターするか少人数の船にした方がいいかもしれない。
青の洞窟付近でヘリが2台も搭載されている80億円くらいするスーパーヨットを見かけた。
オーナーはロシア人とのこと。夏の地中海は世界中のA-Listの人々が集まる場所でもある。
船がブルーラグーンに近づくと、海の色が急に明るく変わり始めた。
深さが十メートル以上のあたりから既に海底がうっすらと見えはじめる。
すごい透明度。
ブルーラグーンはコミノ島と隣り合う無人島の間の海峡にあり、嘘みたいに美しい海が広がる。
珊瑚礁のある熱帯のラグーンとは違う、より瑪瑙色がかった色だ。
海水はプールのように透明で、ヨットの船影が海底に映っているのがはっきりと見え、空飛ぶ船状態。
地中海ではこれほどの海は見たことがないし、モルジブ等と比べても遜色ないレベル。
ただし、海は綺麗なのだが陸は激混みだった。
パラソルとデッキチェアをレンタルするが、いい場所は真夏の江ノ島状態の人口密度。
隣の島との間の海峡部分は潮の流れが予想外に速く、ぼんやりしていたらすぐに流されてしまいそうになる。
これだけ海流の流れが速いから水が絶えず循環して透明な状態が保てるのかもしれない。
スリーマに戻り、夕食を食べに海岸沿いのプロムナードを歩く。
明日はリスボンに戻るので今夜はマルタ最後の夜。対岸のバレッタでは暮れなずむ空に明かりが灯りはじめる。
ある種のエキゾティシズムのある独特の街並みやドラマチックな地形は地中海で有数の魅力的な街だと思う。
ポルトガルで時間が余ったおかげで思いがけずマルタを訪れることになったが、町や人は美しく、メシは旨く、史跡や綺麗な海まであってなかなかいい国だった。