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最後の講義
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コロンビアでの最後の講義が終わった。
これから他の大学院に行く予定もないので、学校での講義はこれが人生で最後かもしれない。運よく最後の講義はCorporation担当の人気教授、ジャクソン教授。教室の入り口にはビールとピザが並べられ、飲みながら受講する粋な趣向だった。

ジャクソン教授はまだ30代半ばだが、WhartonとHarvard Lawを卒業して、投資銀行やかの有名なWachtell Liptonで働いていた所、政府にスカウトされ、その後アカデミズムの世界に転身したという、アメリカ的エリートのエッセンスを凝縮したようなキャリアの持ち主だ。頭の回転が異常に速く、講義はエナジェティックかつ効率的で面白く、何より本人のプロ意識とサービス精神が半端ではない。筆者は学部時代は年1~2回大教室講義に出席しただけなので日本の大学の講義のレベルを語る資格はなさそうだが、このレベルのバックグラウンドを持ち、このレベルの授業が出来る人は、日本には大学教授・予備校講師を含めていないかもしれない。

講義の最後、教授が餞のメッセージを読み上げる。
「自分が最も愛することをしなさい。それがあなたが一番能力を発揮できる場所だ。」
しばしば経済的・現実的な観点から「好きな事を仕事にする」ことを目指すのは理想主義的と片付けがちだが、弁護士、ibankと極めてリアルな仕事を経てきた教授が言うと、胸に刺さる。


本ブログは純然たる旅行・外出ブログを目指しているので、あまりロースクールについては書かない事にしているのだが、この9ヶ月、やはり法律はあまり面白くないことや自分が授業を聴いて学習するのに向かないことが再確認できたり、アメリカの合理的な面や鷹揚さを学べたり、色々いい刺激もあった。大手法律事務所の弁護士にとって留学は長期休暇のような位置付けとされる事が多いが、確かにそのとおりで、一度立ち止まって、これからの人生の方向性を決める上でいい機会だったのは間違いない。


キャンパスでは卒業式に向けた準備が着々と進んでいる。何だかんだで楽しかったロースクール生活を振り返って感傷的な気分にもなるが、ひとまず目の前の卒業試験に集中である。