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Oscar Neimeyer
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昨日、ブラジルを代表する建築家、オスカー・ニーマイヤーが亡くなった。
現代建築の中で最も好きな建築家の一人で、初めてその存在を知ったときには既に90歳を超えながらいまだ現役で、建築家はずいぶん高齢まで働ける職業だと妙に感心したことを憶えている。

彼の作品はリオ・デ・ジャネイロにあるUFO型のNiteroi Contemporary Art MuseumとNYの国連ビルくらいしか訪問したことはないが、作品集等でブラジリアの建築群や自邸を見ては、いつか訪れたいと思っていた。

Niteroi Contemporary Art Museum, Rio de Janeiro 2007

よく言われるとおり、彼の作品はリオのビーチ、波、岩山、そしてブラジルの女性にインスパイアされた曲線を多用し、モダニズム建築の文法を踏まえながらも独創的で、なおかつラテン・アメリカの空気を感じさせ、本当に魅力的だった。各紙の死亡記事を読むと、104歳になった今年のはじめまで新たなプロジェクトに携わり、精力的に活動していたという。90歳を過ぎてから再婚もしていたらしい。

20世紀のラテン・アメリカの文化人の例に漏れず、ニーマイヤーも裕福な白人の家庭に産まれ、若い頃は放蕩を尽くした上に早く結婚した。生粋の共産主義者で、ブラジルが軍事政権下にあった60年代から80年代まではフランスに亡命していたという、古き良き時代の芸術家でもある。
20世紀は遠くなりにけり。