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アメリカの夜
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NYの前にマイアミにしばらく滞在することになったので、コンドミニアムを一月借りることにした。

マイアミは、本土側にあるMiami市と、そこから湾を東に隔てた島にあるMiami Beach市に分かれている。リゾートホテルが立ち並ぶビーチはMiami Beachにあり、他方オフィス街や教育機関等の都市機能はMiami市に集中している。要するにMiamiは普通の大都市で、観光客が用があるのは主にMiami Beachだ。

コンドミニアムはネットで検索してヒットした条件の合う物件を片っ端から問合せして探した。 ハイシーズンではなかったものの(フロリダはsnow bird=避寒客が多い冬休みがハイシーズン)夏休みに重なってしまったため、人気のあるホテルやコンドはどこも宿泊費が高いか満室気味。

また、当然ながら観光客が少ない本土側や、Miami Beachの中でも中心部から離れたエリアの物件は安いものの、探していたSouth Beachの物件、特に①部屋から海が見えて、②ビーチに直接アクセスでき、③プールがあり、④Ocean DriveやLincoln Road Mall等の中心街から徒歩圏、という条件を満たす物件はそれなりに高く、小ぎれいな所は普通に月4,000ドル以上する。

 根気強くリサーチと問合せを重ねたところ、Lincoln Road MallとOcean Driveから徒歩すぐ、ビーチに面していて海が見えるバルコニー付の1BRで2,800ドル/月という物件を発見。建物は古そうだがビーチに直接アクセスでき、Ritz Carltonの向かいと立地も良好な上にかなり割安だったので、ここに決定。事前にサイン済契約書をPDFで送る等、手続は若干煩雑だったがスムーズに進んだ。

総じて、マイアミのレンタルコンド市場は偏りが大きく、価格とモノが必ずしも正しく相関していない印象を受けた。狭くて海に面していない部屋が4,000ドルしたり、同じような立地で広くて海の見えるバルコニー付の部屋が3,000ドルだったりする。おそらく個人のオーナーがリゾートマンションを自分が使わない時にだけ賃貸に出す場合が多いので、流動性が低いせいかもしれない。借りる側からすると、よく探せば掘り出し物が見つかる可能性が高いということでもある。



成田からヒューストンを経由して、マイアミには夜中に到着。不動産ブローカーに電話して、鍵の受け渡しのために物件で待ち合わせる。空港からJulia Turtle Causewayを渡ってMiami Beachに向かう道すがら、Miami Cityの高層ビル街の夜景が見える。

 コンドミニアムに着くと午前2:00にもかかわらずブローカーが鍵を用意して待っていた。コンドは60年代に建設された古い物件だが、リノベされていて内装は中級ホテルくらいのレベル。


部屋は14階にあり、50㎡とあまり広くないものの、1人だし、マイアミのリゾートホテルのスタンダードを考えると十分過ぎるくらい。海も目の前で、バルコニーからの眺めも想像より全然よい。


さっそく夜食を食べに外に出てみた。店がほぼ閉まったLincoln Road Mallは閑散としていて、深夜営業のピザ屋と、異常に高いヒールを履いた黒人の女の子達が行列を作っているクラブの他は人の姿も疎らだ。

空気は生暖かく湿っていて、気だるく猥雑な真夏の夜特有の雰囲気が漂っている。

 マイアミは中米のハブでもあるせいか、通りをゆく人々は黒人とラティーノが大半。白人より多く、東洋人は殆ど見かけない。マッチョな男やタトゥーを入れている人間の割合も高い。 終夜営業のピザ屋でコロナと半部干からびたピザを食す。ともあれ、これからしばらく暮らすアメリカに上陸。行記:アメリカの夜