Newer Post Newer Post Older Post Older Post

Across 125th Street
, :

|
,

ロースクールの友人とハーレムで開催されてるGordon Parksの写真展を見に行った帰り、ハーレムを歩いてみた。
コロンビアも116th St.にあり、Bobby Womackが歌う「110丁目を超えた所」(Across 110th Street)にあるのだが、125th St.を中心とするいわゆるコアなハーレムはやはり少し違う。



駅前にあったManna's Soul Foodという店でランチ。ソウルフードの有名店らしい。
ここでのソウルフードとは、「ラーメンは日本人のソウルフード」のように慣れ親しまれた食べ物という意味ではなく、アフリカ系アメリカ人特有の料理の総称。フライドチキンをはじめとして、内臓や豆、オクラなど比較的安価な食材を使うことが多いが、この店のチキンはなかなか美味だった。


歩いているのは見事に黒人ばかり。白人もアジア系もほぼ見かけない。
昔からアメリカは人種の坩堝ではなくモザイク国家だという表現があるが、ニューヨークに限らずアメリカは人種による住み分けが極端だ。もちろん住む地域だけではなく、収入、学歴、聞く音楽、消費行動等、あらゆる分野において人種の壁が存在する。黒人世帯の貯蓄は白人の平均の10分の1以下で、学力差も非常に大きい。ハーバードのロースクールでローレビューのチーフ・エディター(すなわち実質的な首席)だったオバマは極めて稀な存在だ。

ロースクールでも、人種間の学力差は存在する。
BOLEが毎年人種毎のNY Barの合格率を発表しているのだが、アフリカ系アメリカ人の合格率は断トツで低い。
あるいはロースクール入学時のアファーマティブアクションによるアフリカ系優遇のせいもあるのかもしれないが、ロースクールと言うフィルターを経た上でも大きな差があるということは、全体の差は推して知るべしだろう。
そして残念ながら、近い将来にこの社会的格差が埋まる日が来るとは、とても思えない。


有名なアポロシアター。
ここから世に出たミュージシャンは数知れない。ジェームス・ブラウン、ダイアナ・ロス、マーヴィン・ゲイ、ジャクソン5、スティーヴィー・ワンダー、アレサ・フランクリン、ベン・E・キング、ローリン・ヒル等々・・・。前の歩道には過去に出演した有名人(マイケルジャクソンやQuincy Jonesとか)の名前のプレートが無造作に埋め込まれてる。


ひと昔前は非常に危険なエリアだったが、ジュリアーニ以降の治安対策のお陰で今ではハーレムもほぼ問題なく出歩くことができる。ニューヨークも現在進行形で変わりつつある街なのだ。